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Channel: フヂイ エンヂニアリングの 自動車造りな日々
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3Dプリンター

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あると便利だよ、と聞いたので、今回のSuper Sports K4 Project でも出番多いだろうなと思い導入した3Dプリンター。

値段はピンキリで、500万円のハイエンドモデルから、自作キットで10万円みたいなのまで。
経験が無いのでスペックシートの何を見て選べば良いのかわからなかったので、フヂエンの週末エンジニア(平日は某自動車部品サプライヤーでエンジニア)のMark君にお任せしてシステムを組んでもらいました。


イメージ 1



これは確かにすごい。
CADで描いた図面が数時間後にはカタチになっている。
感動モノです。

しかも、精度も悪く無い。
100mmの立方体をテストプリントすると誤差はプラス0.2mm。
機械部品としてはちょっと厳しいですが、成形品としては悪く無いです。
CFRPのマスターとか活用の範囲は広そうです。

で、3Dプリンターの可能性に魅せられた僕は、やっぱりというかすっかりハマりました。
僕が欲しいのは「速くて、デカイ」ヤツ。デカくないと自動車作りの場面で活躍できません。
さらに、3Dプリンターは「Rapid prototyping」とも呼ばれていまして、試作工期が画期的に短期化できるという意味ですが、一旦このプリンターに慣れると人間の欲深さは底なしで、
「もっと速く!」となっちゃうわけです。
一般に流通している平均的なモデルのプリント最高速は80mm/sですが、複雑な形状をこの速度でやると、ステッピングモーターが脱調したり、タイミングベルトがコマ飛びしたりします。
失敗する度に設定を変更したり、機械のアライメントチェックしたり、やる事はレーシングカーのセットアップと似ています。

でも、速度を上げるとどうしても上手くいかない。
おびただしい数の失敗作たち。

イメージ 2



こんだけ失敗作が出ると、ちょっと心折れそうになりましたが、意地になって続ける事数日、機械設計をやっているフヂエンレーシングのメンバーのアドバイスでプリンターのテーブルの重量から来る慣性力が問題の原因じゃないか?という事に気付いて、プリンターのテーブルをカーボンで作り替えてみたら、めっちゃ改善。
速くなった!!
設定でもプログラムでも無くて、原因はハードウェアでした。

イメージ 3




で、すったもんだをやっているウチに3Dプリンターの作動理論がほぼ理解出来たので、たぶんデカくて速いヤツを設計できます。
しかも、3DプリンターってNC加工機の基礎みたいな構成なので、この作動原理の応用で、カーボンのトリミング用のNC加工機とか作れそうです。
面白いですよね。

フヂイ エンヂニアリング
http://fujii-engineering.com

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