日に日に暖かくなってきて鈴鹿界隈の桜もかなり色付いてきました。
今週末の天気予報は雨ですから、今のうちに桜を楽しんでおいたほうがイイかもしれません。
とか言っても、今のフヂエンは引っ越し真っ只中で、桜を愛でる余裕はございませんので、来年に取っておきますね。
29日に鈴鹿クラブマン第2戦が開催されました。
フヂエン レーシングからはもちろん、鈴木啓太がVITAクラス(CS クラブマンスポーツ)にエントリー。
開幕戦では速さの片鱗を見せたものの雨の決勝ではウェット路面が初めてだったので様子見走りで入賞は逃しました。(実は、土曜日の練習では、非公式ながらコースレコードタイムが出ていたんです。雨が降ったら失速しちゃった。)
で、満を持して挑んだ第2戦。
今回もまた前日までの暖かい陽射しは雲に隠れて、雨の予報。
啓太は、
「僕のせいや・・・、僕が雨男だからや・・・・」って朝からため息ついてネガティブモードに入っていましたが(笑)、
僕は「啓太だけに雨は降るんと違うやろ?みんな同じ。」と言ってみたけど、やっぱりテンション上がらないご様子。
でも、朝8時半からの予選は、ギリギリ雨粒は落ちてこずドライで走る事が出来ました。
ドライセットで、少し予選仕様にアジャストして、コースイン。
(啓太は、マシンセットについては、よほどバランス崩していない限り、何も言わずに走ってきます。なので、エンジニアとしては楽させてもらえるタイプのドライバーです。でも、あまり楽してると僕の腕が鈍るので、バランス重視で考えて進めています。)
10分間の予選では、予想通り、2014チャンピオン中里さんと啓太の一騎打ちの様相。
2人がレコードラインを通過すると1位が入れ替わるような状態です。
僕としては、雨の決勝でポールスタートだと、雨の経験の殆ど無い啓太はペースコントロール出来ないだろうから、2位スタートで中里さんの後で引っ張ってもらって、という展開を考えていました。
が、しかし、予選最終ラップで啓太がレコードラインを通過した時、場内放送が、
「1分29秒66!コースレコード!」
あれ、今のタイムって啓太?
僕の手元計測では「1分29秒5」、あちゃ~、やってもうた。
コースレコード出しよった。(汗)
もちろんポールポジション。
シリーズ参戦2戦目でポール獲りかぁ。
完全に予想外。
決勝のシミュレーションをやり直さなくては。
12時からスタートする決勝レースの頃には完全に雨。
路面はバッチリキラキラのウェット路面です。
ウェット路面に苦手意識持ってる啓太は、人生終わった様な表情で、口からエクトプラズマ吐いている・・・。
そんな時に横のピットの上村さん(予選3位)がやってきて、
「雨のポールはホンマ怖いで~。後ろからミサイル突っ込んで来るから気ぃ付けなあかんで!」
と、不必要に啓太を脅して笑いながら去って行った・・・。
啓太も真に受けなくてイイのに、
「やっぱり雨のポールは危ないですよね。」
とガクブル状態。(笑)
「今日は予選でポール獲れて良かった良かった。コースレコードも出せたし。今日はやる事終わり!決勝はオマケや。順位落としてもかまわんから、壊さずに帰ってこい!」
となるべくリラックスできるように声かけて送り出しました。
開幕戦でのスタートでは、前のマシンにつられてタイミング外してしまったので、心配していたのですが、なんとか無事に良いタイミングでクラッチミートしてスタート成功!1位のままでショートカットに入って行きました。
「あちゃ~、1位はまずい!ペースコントロールを失敗して飛び出すかも!」
となるべく2位に下がって、後半で勝負かける展開を期待して西コースピットで待つ僕。
ですが、1周目が終わってストレートに戻ってきたら、航続を2秒以上離して帰ってきた!
2周目終わりには2.5秒。
2位の中里さんもそれ以上は逃げさせてはくれませんが、そもそもトップで逃げる展開は経験不足の啓太には荷が重い・・・。
と思ったけど、3周目、4周目と航続と差を広げて3秒前後になってからは、その差を固定化して、中里さんが近付けば啓太がペースアップして離す、そんな展開で11周目まで進み、11周目には周回遅れの処理の際に航続車が乱れたりして、結局は9秒(だったかな)ぶっちぎってゴール!
ありゃ、勝っちゃった。(滝汗)
終わってみれば、
ポールtoウィン
コースレコード
ファステスト
なんだか余裕の勝利みたいに見えますが、
当の本人は、全然そんな感じじゃなくて、予選前は青白い顔して緊張していたし、決勝前は「雨嫌や~」って魂抜けてた。(笑)
あと、周囲のオジ様ドライバー(主に上村さん)にイジり倒されて、「あまり速く走るとシバくぞ!年上を敬え!!」とか「雨のポールはホンマ怖いで」とか精神的に攻撃されていたので(爆)、全て真に受けて、
「やっぱり雨のポールって危ないんですよね?どうしたらいいですか?」と泣きそうな顔して聞いてきたり。
とてもじゃないけど、優勝とか意識できる状態ではありませんでした。
瞬間、瞬間を必死に走っていたら結果的に勝てた、という感じです。
とはいえ、今回の勝利は嬉しい驚きです。
昨年くらいから、啓太の類まれなスピードセンスには気付いていたので、上手く導いてあげれば才能を開花させれるなぁ、と思っていろいろやってきたのですが、こんなにすぐに勝利を味わえるとは意外です。
オンボードを見て、彼の速さの理由を探していますが、まだよく判りません。
ターンインしてからクリップ付近で切り足すクセとか、アクセルオンの領域で修正舵が多いとか、特徴はあります。
一緒に走っている他のドライバーに話を聞くと、どうやら、立ち上がりでパワーをかけた時にリヤタイヤが踏ん張り切れなくなりそうになるワケですが、その瞬間にフロントタイヤをススッと外に逃がして、破綻させずに走っている、つまり、縦にユラユラとドリフトしてるような感じみたいです。
本人にそれを聞いても、「?」という感じなので(笑)、意識してやっているワケではない様子です。
とりあえず、良かった良かった。
次戦は5月の東コースです。
目指すは連勝。
頑張ります!!
フヂイ エンヂニアリング